賃貸と持ち家どちらがいいの?
2019年10月27日
賃貸と持ち家どちらがいいの?
さんざん今まで語られている内容ですが、最近Youtubeで財テクやビジネスハック動画等を見ていると、持ち家否定派が多いようです。
賃貸?持ち家?悩める方に読んで欲しくてこの記事を書きました。
まず前置きとしてですが、私は賃貸仲介営業と売買仲介営業を経験したのちに不動産会社を起業しており、不動産には詳しいです。
FP1級(国家資格)を取得しており、金融リテラシーもそこそこあります。
以下は、あくまでも金銭的な面から考えた場合です。
まず、持ち家否定派の理由は以下に大別される気がします。
① 金持ち父さんインスパイア派閥
② 「長期ローンを組むなんてリスクが高いよ」意識高い同盟
③ 「ライフスタイルの変化に合わせにくい」流浪の旅人勢
④ 「新築は資産価値の減少がすごい」新築プレミア団
それぞれ解説していきます。
① 金持ち父さんインスパイア派閥
参考:https://www.youtube.com/watch?v=nF2zus-3N5E&t=436s
参考:https://www.youtube.com/watch?v=uWHH8PpnJtU&t=260s
この類を理由にあげる方が一番多い気がします。
金持ち父さん恐るべし。
有名な財テク本「金持ち父さん貧乏父さん」の中で、著者のロバート・キヨサキさんは、
自分のポケットにお金を入れてくれるもの=資産
ポケットからお金を取っていくもの=負債
と言われているそうです。
「持ち家は、固定資産税や修理費用がかかり、ポケットからお金を取っていくので負債だ。だから持ち家はダメだ」ということらしいです。
たしかに、家を持つと固定資産税や修理費用がかかり、さらに住宅ローンを借りる場合は金利がかかります。
では、賃貸の場合はどうでしょうか?
賃貸の場合、直接的な出費は賃料(家賃と共益費の合計)ぐらいで、修理費用や固定資産税等は大家さんが負担します。
その大家さんが支払う固定資産税や修理費用はどこから捻出されているのでしょうか?
答えはもちろん、入居者から受け取る賃料からです。
大家さんは、入居者から受け取った賃料から、物件購入資金のローンを支払って、修繕費等をまかない、さらに余った分を利益としているのです。
ここで注意してほしいのですが、利益は余った部分だけではありません。ローンの支払代金の部分も大家さんの利益です。
家賃を支払っているというのは、それだけ大家さんに利益を与えているということなのです。
つまり、家を持つと修繕費や固定資産税等いろいろお金がかかるけど、賃貸は持ち家でかかる費用に加え大家さんの利益が加算されるので、賃貸の方がよりお金がたくさん出ていきます。
賃貸と持ち家どちらにせよ、お金は出ていきますが、絶対にどちらかには住まないとだめですよね?
それなら、持ち家の方がマシです。
結論
持ち家は賃貸よりもお金の流出を軽減します。
金持ち父さんに恨みはありません。
② 「長期ローンを組むなんてリスクが高いよ」意識高い同盟
参考:https://www.youtube.com/watch?v=l_IHD_ZJ8o0&t=357s
長期でローンを組むなんて、自分の将来の可能性をつぶす行為だ!なんて言われてますけど、ほんとうにそうですか?
転職、起業する等、収入が不安定になることを見越しているならば、その枠内でローンを組めばいいだけじゃないでしょうか?
私は、起業する前に家族で住める最低限必要な広さの安い物件を買って、35年の住宅ローンを組みました。月々の支払は分譲賃貸で同じ物件に入居した場合の6割ぐらいです。
その方がリスクに対応できていると思いませんか?
賃貸でも持ち家でも支払いが滞れば最終的には退去しなければなりません。
将来の収入に不安があるならば、月々の支払いを極限まで削るべきです。
支払いを極限まで削るには、家主さんの利益が含まれている賃貸よりも、持ち家の方が有利です。
③ 「ライフスタイルの変化に合わせにくい」流浪の旅人勢
出産、結婚、転職等々のライフスタイルの変化に合わせて、持ち家は引越ししにくいというものです。
これについては、賃貸に軍配が上がります。
賃貸は持ち家に比べて低コストで転居できます。
ただし、転居を伴うほどライフスタイルが変化する可能性(転居リスク)が今後どれほどあるのかは考えるべきだと思います。
全国転勤のある大企業のサラリーマンやベンチャー企業の社長等いかにも住所を転々としそうな方が転居リスクに重きを置くのはわかるのですが、本当にあなたもそうでしょうか?
将来のビジョンを考えてみてください。
市街地で働いて、結婚して、子供を育てて……、どういうところでどれぐらいの広さに住めばいいか予測できませんか?
賃貸に住んでいる間は、ずっと家主さんに利益を与え続けているのです。
ようするに転居リスクに対して掛け捨ての保険料を支払い続けているようなものです。
長期間引っ越さないのであれば結局持ち家の方が収支が良かった、というのは往々にしてありうる話です。
蛇足ですが、ホリエモンは特定の住居を持たずにずっとホテル暮らしらしいです。
ホリエモンほどあちこち飛び回る生活であればそれが良い選択のようです。
④ 「新築は資産価値の減少がすごい」新築プレミア団
参考:②の動画参照
「新築マンションは、一度荷物を入れて住んだら2~3割資産価値が下落します!」なんてことを言う人がいますが、そんな詐欺みたいな価格設定の不動産を買いますか?
4000万円で買ったのに中古になった瞬間2800~3200万円でしか売れません、ってそんな変な不動産買いませんよね。
そもそも1カ月住んだだけの中古物件が分譲価格から2~3割も安く買えるならそっちを買う方がほとんどだと思います。実際そんな不動産売ってませんよね。
当たり前ですが、普通の物件ならそこまで下げなくても売れます。
実際、今は相場がいいので分譲から10年以上経っているのに分譲時より値上がりしているようなマンションもあります。
不動産は大きな買い物です。営業マンに任せっきりにしないで、しっかり勉強して適正価格で買いましょう。
最後に、住宅購入に欠かせない住宅ローンには特有のメリットがあります。
住宅ローンを使う場合は団体信用生命保険(通称 団信)に加入するので、死亡時には保険金から一括返済されます。(最近は死亡以外にも、三大疾病等で保険がおりる商品もあります)
何かあった場合でも、家族に住む場所を残してあげられます。
「賃貸でも生命保険に入ればこの点はカバーできる」と思われる方がいるかもしれませんが、団信の保険料は、多くの場合住宅ローン金利に含まれており、その保険料を含めても住宅ローン金利は1%を切るのが普通です。(信用のある方なら0.5%前後で借りられます)
金利1%以下って安いの?と思われる方のために申し上げますと、めちゃくちゃ安いです。
オートローンやカードローン等と比較してみてください。
そんな安い金利に、生命保険料も含まれているのですから、ほぼ保険料負担なんてないようなもんです。おまけです。おまけで、生命保険が付いてくるんです。すごくないですか?
めちゃくちゃ安い金利でお金が借りられて、おまけで生命保険が付いてくるってすごいですよね。
しかも、住宅ローン控除など、税制面でも有利です。
住宅ローン控除もあなどれず10年間にわたって、数十万円単位でお金が返ってきたりします。
住宅ローンにはメリットがいっぱいなのですが、住宅ローンを組むには信用が必要です。
信用は、勤務先や勤続年数、年収、預貯金の有無、これまでのクレジットカードや携帯代の支払い実績等を総合的に判断されます。
もちろん、賃貸の審査より厳しく、誰でもローンが組めるわけではありません。
せっかく使える信用があるのに使わず、家主さんに利益を与え続けるのってもったいなくないですか?
ただし、借りられるからって目いっぱい借りるのはリスクが高いですよ。
それこそ、住宅ローンが足かせになって身動きできない窮屈な人生になってしまいます。
さんざん言われていることですが、金銭的な面から考えた結論は、
「買えるなら持ち家の方がいいけど、ライフスタイルが予測できない人は賃貸の方が良い」
というのが正しいと思います。
持ち家教万歳!持ち家信仰を広めよ~!みたいな記事になってしまいましたが、エピックホームズ株式会社では、今のところ建売はしておりません。それどころか賃貸の仲介も行っていますし、賃貸物件も所有しています。
弊社の賃貸営業担当者には怒られそうな内容の記事になってしまいましたが、将来結婚したいけど現在は独身の方、数年単位で転居を伴うような転勤をする可能性が高い方、働き出したばかりで信用もお金もなく無理なローンを組まないと買えない方など、とりあえず賃貸に住んだ方がいい方もいらっしゃいます。
自分がどうしたらいいか分からない、という方はお気軽にご相談ください。